全国高等学校総合体育大会 1回戦
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インターハイにふさわしい青空の下、両校ともに大勢の人達が応援に駆けつけた。
対戦相手の愛知黎明高校は2月の新人戦で延長で決着がつかず、PK戦で敗れた相手。
屈強なメンタルと鍛えられたフィジカル、そしてキック力やスピードが印象的なチームだった。
あの戦いから4ヶ月、両校ともどこまで成長したのか、楽しみな一戦がはじまった。
試合開始から黎明高校は予想通りロングボールを使った戦術で松蔭陣内にボールを送り込む。緊張感からなのか松蔭DF陣にいつもの落ち着きがなく、安定したパス回しができない。しかし、緊張感があるのはDF陣だけでなくチーム全体の動きが硬い。
一方、愛知黎明もやや緊張感があるものの、思い切りのいいプレーは健在。前半は両チームともにリスクを冒さない守備的な展開となった。
しかし、前半の途中からは徐々に松蔭がパスとドリブルで仕掛ける時間帯を作り始める。しかし、なかなかシュートチャンスは作れない。このまま0-0で前半終了かと思ったその時、右サイドでドリブルを仕掛け起点を作った松蔭が、密集から出たボールをFWが中に持ち込み、左足でシュートを放つと、GKの指先をかすめゴール右端に決まり待望の先制点を獲得。前半はそのまま1-0のまま終了。重苦しいムードの中、いい時間帯に得点することができた。
後半は開始から松蔭がボールを支配し始める。逆に愛知黎明はやや動きが緩くなり、松蔭が攻め込むシーンが徐々に増えてくる。
しかし、愛知黎明もDF陣が体を張り、かなかかなシュートシーンまでは持ち込ませない。
すると11分、松蔭陣内で愛知黎明がFKを獲得。セットプレーは軽快したい松蔭だったが、ゴール前に蹴り込まれたボールに誰も反応することができず、無情にもボールはそのままゴール左隅に転がり同点。
これで目が覚めたか、松蔭はにわかに攻撃の激しさを増し、シュート数も増えはじめるがネットを揺らすことができない。結局得点することはできず延長戦に突入した。
延長戦に入ってもポゼッションでは松蔭が優るものの、愛知黎明も時折迫力ある攻撃を見せ油断はできない。延長3分には松蔭MFが負傷退場するなどのアクシデントはあったが、両チームとも気持ちと気持ちをぶつけるクリーンファイトで、一進一退の攻防が続く。ミドルシュートがポストを叩くなど、やや松蔭のほうが得点につながりそうなシーンが多かったが、勝ち越すことはできず1-1のまま延長の前後半も終了。決着は新人戦と同じPK戦に持ち越されてしまった。
先蹴りは松蔭。1番手は落ち着いてきっちりと決める。愛知黎明1番手はチームの中心的存在の選手。しかし、無情にもボールは枠をそれる。
2番手・3番手は松蔭も愛知黎明も決めて3-2で松蔭がリード。
松蔭は4番手も決めて4-2。愛知黎明が得点できなければ松蔭の勝利が決まる。
緊張感が高まる中、愛知黎明4番手の蹴ったボールを松蔭守護神がパンチングでクリア。
この瞬間に松蔭の勝利が決まり、新人戦とは喜ぶチーム、崩れ落ちるチーム、が入れ替わった。
両チームともナイスファイト!
お互いに良いゲームにしようという気持ちが随所に見られる清々しいゲームだった。
張り詰めた緊張感で、普段通りの力は出し切れなかったかもしれないが、気持ちの入った戦い。
愛知黎明の分まで背負って、松蔭は明日の試合に望んで欲しい。
出場選手
松蔭A | 愛知黎明 | ||||
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GK | 1 | 水谷 拓朗 | |||
DF | 2 | 高木 一伎 | |||
DF | 3 | 前田 知宏 | |||
DF | 4 | 静谷 公希 | |||
DF | 5 | 水谷 直斗 | |||
MF | 7 | 松尾 啓介 | |||
MF | 8 | 岡本 北斗 | |||
MF | 9 | 佐藤 友紀 | |||
MF | 11 | 高橋 賢次郎 | |||
MF | 15 | 原 大樹 | |||
FW | 14 | 柴田 大地 | |||
MF | 16 | 三輪 太喜 | |||
GK | 17 | 上野 友作 | |||
FW | 19 | 綾田 正和 | |||
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